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更新日:2023/6/29

BIOSアップデート後のブルースクリーン Inaccessible Boot Device エラー

使用中のマザーボード「GIGABYTE Z690M AORUS ELITE DDR4」のBIOSをアップデートした際に発生した,ブルースクリーン INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE へ対応した時の記録です。

作成日:2023/4/28


■注意事項

ここに記載されている内容は,上級者向けの内容です。操作を間違えると,データが消えてしまうなどの危険性ある内容を含んでいます。実行する場合は自己責任でお願いします。

トラブルの発生経過,内容

OS:Windows11 Pro 22H2, 64bit, UEFIで起動
マザーボード:GIGABYTE Z690M AORUS ELITE DDR4
CPU:Core i7-12700K
HDD,SDD:全てGPTディスク

BIOSアップデート前: BIOSバージョン F5

BIOSアップデートの方法:マザーボードに付属のソフト @BIOS を使用

BIOSアップデート後:BIOSバージョン F23 (購入してからアップデートしていなかった)

@BIOSでネットワークサーバからのアップデートを実施したところ,再起動後にブルースクリーン INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE が表示されました。自動的に再起動になるのですが,繰り返すのみです。

原因の推測

BIOS設定画面を表示させてみたところ,Serial ATA接続のHDD,DVD-ROM,SSDとNVMe接続のSSDは全て認識されていました。またNVMe接続のSSD内のシステム領域にあるWindows Boot Manager (WBM)も認識されていました。

参考ページ[1]より,「Windowsの更新パッケージは入れていない」,「マザーボードのSATA接続モード AHCIは変更していない」,「HDDやSSDは故障してなさそう」からは,WBMの内容の破損などが疑われました。参考ページ[2]などより以下の復旧作業を開始しました。

復旧作業

何回かブルースクリーン+再起動を繰り返していると,自動的にWindowsの自動修復機能が立ち上がってきました。しかし修復はできず,「詳細オプション」に進みます。まず1回「スタートアップ修復」をしてみましたが,やはりWindowsは起動しません。

次に,「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」に進み,次のコマンドを入力しました。

bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd

あとで気づいたのですが,マザーボードとWindows11の起動方法は「UEFI + GPTディスク」のため,1つ目の bootrec /fixmbr は正常終了したように見えますが,特に意味はないとのことです。

2つ目の bootrec /fixboot では,「アクセスが拒否されました」とエラーメッセージが出ました。

3つ目の bootrec /rebuildbcd では,「Windows のインストールとして認識された合計数: 0」と表示されて,ディスクにあるはずのWindowsは認識されませんでした。

それぞれのエラーの対処

■BCDのリネーム(削除)とブート領域の再構成

BCDファイルはシステム領域(隠しドライブ)にあります。diskpart コマンドでシステム領域を探して,ドライブ割り当てを行います。
引き続き,コマンドプロンプトで入力します。

【注意】ドライブレターは自らの環境に応じて読み替えてください

> diskpart

# システム領域を含むディスクを表示
DISKPART> list disk

ディスク ### 状態 サイズ 空き ダイナミック GPT
--------- ---- ---- ---- -------- ---
ディスク 0 オンライン 500GB 0B *
ディスク 1 オンライン 900GB 0B *
...(以下省略)

# システム領域を含むディスクを選択
DISKPART> select disk 1

ディスク 1 が選択されました。

# ボリュームの一覧を表示
DISKPART> list volume

Volume ### Ltr Label Fs Type Size Status Info
---------- --- ----- -- ---- ---- ------ ----
Volume 0 E   NTFS Partition 500GB 正常
Volume 1 F   NTFS Partition 900GB 正常 ブート
Volume 2     FAT32 Partition 100MB 正常 システム
Volume 3     NTFS Partition 700MB 正常 非表示
...(以下省略)

# ドライブレターがなく,ファイルシステムがFAT32で容量約100MBのボリュームがシステム領域
DISKPART> select volume 2
# 未使用のドライブレター V を割り当てる
DISKPART> assign letter=V
# diskpartを終了
DISKPART> exit

次は,BCDファイルのリネーム(削除)とブート領域の再構成です。

> cd /d v:\EFI\Microsoft\boot

# BCDファイルをリネーム(削除)
> ren BCD BCD.bak # 削除するなら del BCD

# BCDファイルを再作成
> bootrec /rebuildbcd
Windows のインストールとして認識された合計数: 1
[1] F:\Windows
インストールをブート一覧に追加しますか? Yes(Y)/No(N)/All(A): Y

ここまでコマンドを実行したところ,「要素が見つかりません」または「指定されたパスが見つかりません」と表示されました。この後に再起動してもやはり,Windows11は起動できませんでした。

原因がよく分からないので,再度 bootrec /fixmbrbootrec /fixboot を実行しました。実行結果は,最初に記載と同じく, bootrec /fixboot で,「アクセスが拒否されました」とエラーメッセージが出ました。次はシステム領域のファイルの修復を試すことにしました。(参考ページ[3,4])

■システム領域のファイルの修復

# システムファイルの修復[1]
> sfc /scannow

この後再起動してみましたが,Windowsは起動しません。

# システムファイルの修復[2]
> sfc /scannow /offbootdir=v:\ /offwindir=f:\

この後再起動してみましたが,Windowsは起動しません。次に隠しドライブのシステム領域に対して chkdsk を行いました。

# Windowsシステムに対して chkdsk
> chkdsk f: /f
# システム領域に対して chkdsk
> chkdsk v: /f

この後,BCDファイルのリネーム(削除)とブート領域の再構成を行いました。

> cd /d v:\EFI\Microsoft\boot
# BCDファイルを削除
> del BCD

# BCDファイルを再作成
> bcdboot f:\Windows /s v:
> bootrec /rebuildbcd
Windows のインストールとして認識された合計数: 1
[1] F:\Windows
インストールをブート一覧に追加しますか? Yes(Y)/No(N)/All(A): Y

今度は「操作は正常に終了しました」と表示されました。再度, bootrec /fixboot を実行すると,こちらも「操作は正常に終了しました」と表示されました。この後再起動してみると,無事に元々動作していたWindows 11が起動しました。

他の参考ページにも記載があるように,「スタートアップ修復」は自動修復機能の立ち上がりに合わせて,2回以上実施しています。

参考ページ

  1. ブルースクリーン「Inaccessible Boot Device」の原因と対処 ? Windows10
  2. UEFI/GPTインストールしたWindowsの「ブート領域」の復旧方法
  3. 「bootrec /fixboot」で「アクセスが拒否されました」と出る場合の対処方法
  4. Windows 11 が起動しないのを修復した備忘録(ブート情報・システムファイル修復)

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